2011年10月25日火曜日

はんこ屋で稼ぐまで(その2)

さて、
35歳の頃、サラリーマンをやめる決意をしました。



なぜ、かなり気に入っていたこの仕事をやめることにしたのか?



これまた、巷でもよく聞く「平凡」な理由です。

会社のやり方についていけない。とか、上司と折り合いが付かなくなったとか。
そんな風なことです。
特別なことではなく、多くのサラリーマンが抱いている問題です。


私が、多くの我慢しているサラリーマンと違っていたのは、本当にやめちゃった。
と、言うことでしょうか。

その頃、カン違いなのですが、自分は仕事が出来るんだと思っていました。
何しろ、たった1人で、年間で1億円近い売上を上げていたからです。
(実はそれもこの職場ではこれも平凡な成績で、多い人はもっと売っていました。)


オレはこんなに仕事が出来るのに、会社の評価は不当だと思っていました。
(今、思うと過分なほど高額の給料をもらっていたのにです。)



おおよそのことが、人並み以下でしかなかった私が、1つぐらいは人並みなことが出来たと言うことがあったとしたら、それは「本」が好きだったことぐらいでしょうか。


とくに、歴史のものは大好きで、何とか人並みぐらいには読んでました。
その頃、だんだん歴史モノに読むものがなくなってきて、ビジネス書や自己啓発モノに手を出していました。

とくに読んでいたのは「ナポレオンヒル」とか「船井幸雄」系の、成功法則っぽい本です。
船井幸雄氏のセミナーなどにも出かけていたのです。
もちろん、会社でそんなことをしているのは、私ぐらいだったので、どんどん自分は特別な人間だと思うようになりました。


給料がそこそこあったので、小遣いの大部分は「書籍代」「セミナー代」に消えていました。
100万円ほどの「ナポレオンヒルプログラム」も、この頃買いました。

本を読み、上っ面ですが、少し勉強しただけで、もういっぱしのビジネスマン気取りでした。

カン違いが加わって、相当に傲慢な考え方になっていたのです。

もしかしたら今の会社の社長よりも、オレの方が優れているなんて、途方もない発想も生まれたりしていましたね。
まさに大馬鹿者です。



その頃、この会社のお陰で少しは貯金もあったのです。
この貯金に、退職金もあわせると、そこそこのお金になる。この資金で独立しようと決めました。





辞表を出す前に、会社勤めをしながら、独立して何をするのかを考えていました。
もちろん、商売人になるのですが、「何」が出来るのかを考えてもそれまでは「何」もなかったのです。

前回も書いたとおり、この会社では独立してから使える技術や資格も、仕事をくれるお客さんや、人脈なども、何もありませんでした。

それまで独立を意識して仕事をしていなかったので、そのような部署にも配置をお願いしたりもしなかったのです。

「何」も出来ない者が、短期間で「何」かになるには、どうするべきなのかと、いつも考えていました。

が、答えはありません。
それが、サラリーマンをやめられない理由にもなっていたのだと思います。




ところが、


やめようと考え出してからは、いろんな情報が入ってくるようになりました。
それも、「何」も出来ないはずの自分に、とても都合のいい情報です。


まあ、情報と言っても、雑誌や本などですが、


リクルートなどの「独立しよう!!」系の雑誌なども、よく買って見ていました。

そんなある日、東京出張の機会があり、その時「東京ドーム」で行われていた、
「フランチャイズフェア」というものに、足を運んだのです。



そうか、

「フランチャイズ方式なら、何も出来ない人でも、何か出来るようになりそうだぞ」
と、思ってしまったのです。





そこから一気に加速した感じです。



「なんや、いっぱいあるやん。世の中、儲かる話だらけやん。オレならもっと儲けてみせる」



その日そう確信して、当時住んでいた大阪へ帰ってきたのです。




「オレは経営者に向いているんだ。もう、一生お金に困ることは無い。」
本気でそんなこと思っていました。
(もう、お解りだと思いますが、これは全くの見込み違いでした。)






そしてついに、「辞表」を出しました。



 (つづく・・・・)






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